真夏の涼しい装い lace&pearl


  真夏に着物なんて ・・・ とても着れない ・・・

 

 浴衣なら ・・・まだ ・・・ なんとか着れるけど ・・・

 

 お洒落はしたいけれど ・・・ 暑いわ~ ・・・ 

 

 そんな方にお勧めしま~す (^^)/

 

 レースとパールを使った涼しいコーディネート! 

 

 

 

ボイスの不思議な体験記(その⓵)

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

「暑い ・・・」

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

「は~あ~ ・・・暑い ・・・」

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

お裁縫箱の家の屋根裏で ・・・

声の妖精のボイスは、余りの暑さにぐったり伸びています。

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

「何で ・・・ こんなに暑いんだ ・・・ ふう~っ」

ぐったりしながら ・・・ ボイスは、思い出しています。

「前にも、こんな体験をしたことがあったなぁ~ ・・・」

 いつの事だったかなぁ~? ・・・ 確か ・・・」と、言いながら

ポケットから光の袋を出しました。

そして ・・・ 袋の中から美しく輝く宝玉を一つ取り出しました。

 

 

 

 

 光の国の妖精は、何万年もの長~い間、生き続けます。

声の妖精のボイスは、探検家です。

探検家は、光の果実から生を受けて、間もなく光の国を離れます。

そして ・・・ 体験した事を光の国に伝えるのが仕事です。

しばらくは、光の卵を暖めてくれた仲間の妖精と行動を共にします。

しかし ・・・ 時期に突き放されます。

どんなに困難でも、一人で行動しなければならないのです。

 

 ボイスは、一人で行動する様になって間もない頃 ・・・

赤く美しく輝く,光に出会いました。

まだ、経験の浅いボイスは、油断していました。

近づいて見ると ・・・黒い渦巻きが起こり

抵抗する間もなく、吸い寄せられてしまいました。

 

 

 気が付くと ・・・

ボイスは、何もない灼熱の太陽が輝く砂漠に居ました。

周りを見回しても、何もありません。

延々と続く灼熱の砂漠が、どこまでも続いていました。

「うわぁ~! 大変だ! 早く抜け出さないと ・・・」

ボイスは、慌てて光のリングを作ります。

何の反応もありません。

「あれ~? おかしいなぁ~」

もう一度、作ります。

また、何の反応もありません。

 

 赤い光を取り巻く黒い渦が、光を遮っているのです。

ボイスは、光の国の威力が届かない世界があることを

この時、初めて知りました。

 

 

 

 

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

「暑い ・・・」

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

「は~ あ~ ・・・暑い ・・・」

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

ボイスは、かなり長い間灼熱の砂漠を歩いています。

 ジリ ジリ  ジリ ジリ

「何で ・・・こんなに暑いんだ ・・・ふう~っ」

歩いても、歩いても、何もありません。

ボイスは、困り果てていました。

すると ・・・

 

 

 フフ フフフ  フフ フフフ

どこかから ・・・ 笑い声が聞こえて来ました。

 フフ フフフ  フフ フフフ

「誰だ ・・・?」

 フフ フフフ  フフ フフフ

声は聞えるのに ・・・姿は見えません。

 フフ フフフ  フフ フフフ

「幻か ・・・? いや ・・・違う ・・・」

すると ・・・ 周りの空気が、揺れ始めました。

 

 

「光の妖精も、困る事があるんだね。」

揺れている空気が、しゃべりました。

「どんなに歩いても、ここには何もないよ」

「誰だ!」

「早く抜け出さないと、力を吸い取られるよ!」

ボイスは、周りを見回します。

しかし ・・・ 姿は見えません。

「光の国を思い出して ・・・」

揺れている空気が、そう言い残して消えて行きました。

 

 

すると ・・・ 今度は、周りの砂が揺れ始めました。

「なんだ ・・・?」

と、思っているうちに ・・・流砂が起こり

ボイスは、砂の中に吸い込まれてしまいました。

「うわ~っ!」

 

 

 気が付くと ・・・ ボイスは、お花畑の中に居ました。

「光の国か?」

周りを見回します。

「いや ・・・ 違う ・・・?」

光の国の花園とそっくりなお花畑には ・・・

妖艶に咲き乱れる、赤い色の花しか咲いていませんでした。

「何かが、おかしい ・・・?」

さっきまで居た、灼熱の暑さは消えています。

代わりに、甘~い香りと柔らかい光が、ボイスを包みます。

たちまち ・・・ 今までの疲労がボイスを襲います。

「いけない ・・・ 今、寝てしまっては ・・・ いけない ・・・」

と、思っても睡魔が押し寄せます。

 

 

 フフ フフフ  フフ フフフ

また、笑い声が聞こえます。

 フフ フフフ  フフ フフフ

さっき現れた、笑い声とは違う声です。

 フフ フフフ  フフ フフフ

「誰だ!」

ボイスは、苦しそうに睡魔と闘いながら叫びます。

 フフ フフフ  フフ フフフ

「このまま ・・・ 静かに眠りにつきなさい ・・・」

甘い香りと柔らかな光が、ますますボイスを襲います。

「いけない ・・・ 寝ては ・・・」

だんだん遠くなる意識の中で ・・・

蜃気楼のように ・・・ 声が ・・・ 聞こえます ・・・

「光の ・・・ 国を ・・・ 思い ・・・ 出して ・・・」

 

 

 虹色の光が輝いています。

「ボイス ・・・ これを ・・・」

光の国を離れる時に、女神様がボイスに光の袋をくれました。

中を見ると ・・・ 美しい真珠色に輝いた宝玉が ・・・

「困った時に ・・・ 使いなさい ・・・」

女神様の声が、蜃気楼のように ・・・ 響き渡ります。

 

 

ボイスは、薄れゆく意識のなかで ・・・

ポケットに入っている、女神様から貰った美しい宝玉を握り締めました。

「助けて ・・・」

そう言うと、ボイスは、意識を失いました。


 



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