肩揚げ✥腰揚げの仕方
今年も ・・・
お裁縫箱の国に ・・・
紅葉の、美しい季節が訪れました。
「ものさし爺さん。秋と言ったら ・・・」
「そうじゃなぁ~。 紅葉の秋じゃなぁ~」
「そうね。真っ赤な紅葉が、とっても綺麗ね」
「食べ物も、おいしい季節になったわね」
「そうじゃ。そうじゃ。食欲の秋じゃなぁ~」
「他には ・・・?」
「読書の秋。 秋の夜長に、音楽鑑賞も良いもんじゃなぁ~」
「もっと、他には ・・・?」
「うん~と。 そうじゃなぁ~」
そう言いながら ・・・ものさし爺さん、腰を上げます。
ミロロは、笑いながら ・・・
「ダメよ! 逃げようとしても」
「ばれたか~? うひょ。 うひょ。」
「秋と言ったら ・・・ 揚げの秋よ」
「揚げの秋か~。もう、そんな季節じゃな」
「さあ!始めましょう」
「伸びたり、縮んだり ・・・大変じゃ~」
* 腰上げの仕方 *
腰上げをします。
身丈二尺五寸(約130cm)を
一尺七寸四分(約66cm)にします。
「ものさし爺さん。三尺差しに、なって下さい」
「はいよ~。チョクチョク、たのむよ~」
「は~い。お爺さん」
チョクチョクは、お爺さんを引っ張って三尺まで伸ばします。
二尺五寸 ― 一尺七寸四分
=七寸六分
(130cm) ― (66cm)
=(64cm)
七寸六分、揚げをします。
身頃を折り曲げて、
裾から、七寸六分の位置に
肩山を合わせます。
身頃を折り曲げた位置が、揚げ山になります。
揚げ山から、三寸八分 (七寸六分の半分) の位置に揚げをします。
二つ目落としで、揚げをします。
衽の部分は、ひだを作って幅を合わせます。
身丈一尺七寸四分になりました。
腰上げの完成!
「ものさし爺さん!お疲れ様」
「なんの ・・・これくらい、楽なもんじゃい」
「次は、肩揚げに行きます」
「あらら・・・ まだ、あったのぉ~」
* 肩揚げの仕方 *
肩揚げをします。
裄一尺二寸五分(約47cm)を
八寸八分(約33cm)にします。
「ものさし爺さん! 今度は、一尺差しになって下さい」
「はいよ~」
そう言うと ・・・ ものさし爺さんは、懐から袋を出しました。
そして ・・・ 中から木の実を一つ取り出し、食べました。
すると ・・・ みるみる内に、縮んでしまいました。
おとうふ山にある、チジミの木の実を食べると、小さく縮む事が出来るのです。
「一尺位でいいかのう~?」
「いいわ! 途中で、五寸差しにもなってね」
「ほい ほい」
一尺二寸五分 ― 八寸八分
= 三寸七分
(47cm) ― (33cm)
= (14cm)
三寸七分、揚げをします。
背中心と袖付けの中心が、
揚げ山になります。
襟肩明きから、袖付け側に
カーブを付けて、二つ目落としをします。
(分かりやすい様に、白糸ですが、
生地と同じ色で揚げをして下さい)
揚げをしても、まだ裄が長いので
孫揚げをします。
後、一寸六分、揚げをします。
最初にした揚げの下に、
孫揚げをします。
後ろ身頃側は、肩山から
袖付け止りまで、同寸です。
前身頃側は、約1cm
肩山より長く、幅を出します。
八寸八分になりました。
肩揚げの完成です。(*^_^*)
「ものさし爺さん! これで終わりで~す」
「そうかい。そうかい。これで自由じゃ~」
「お疲れ様でした」
「チョクチョク! 縮んだまま、驚かしに行くぞ~!」
「は~い!」
「どこへ ・・・?」
「巻尺爺さんのとこじゃ~! うひょ。うひょ。」
「きっと ・・・ びっくりして、転がるわ。」
ものさし爺さんとチョクチョクは、
紅葉で色づいた並木道を、
飛び跳ねながら
巻尺爺さんの家へ向かいました。
お裁縫箱の国の秋は ・・・
揚げの秋 ・・・
ものさし爺さんの ・・・
伸びたり、縮んだりは ・・・
しばらく 続きそうです。
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